「中川駅前商業地区振興会」座談会

(馬場会長・藤島副会長・神奈川県職員鈴木氏)



 今回は中川駅前商業地区振興会にお邪魔して、日頃の商店街活動についてざっくばらんに話を伺いました。


鈴 木: 簡単な自己紹介をお願いします。
会 長:  中川駅前商業地区振興会会長の馬場と申します。
 普段は中川駅前郵便局の局長です。僕自身も感じていますが、郵便局長同士の間でも僕が中川駅前商業地 区振興会の会長やっていることは、相当異色に思われているようです。
 郵便局の役割は通常業務の他に地域の皆様の暮らしに寄り添う事も大切な役割だと思っています。商店街活動もその一環だと考え、リンクすることで地域の活性化につながるのではないでしょうか。お店や街の人がイベントをやっている時に郵便局も、局を開放していました。その様子を活動的な局長だと前会長に思っていただいたのがきっかけだった気がします。
 私が会長に指名されたのは、ある会議の時に「来月総会だから、その総会で馬場君が次期会長だよ。今までは土台を作ってきた。これからは若い人がこの街をもっと賑やかにして欲しい。やりやすいように役員も好きに選んでいいよ。」と言われ、指名を受けることになりました。
副会長:  中川駅前商業地区振興会副会長をやらせて頂いている藤島です。普段はプログラミングスクールをしています。
 馬場さんが会長になられて、その時にちょうど一緒に郵便局で出し物を一緒にやらせてもらっていた関係から副会長に指名されました。
 最近はこの郵便局のすぐ裏で無人の駄菓子屋やったりもしています。
 この街に来たきっかけは 勤務していた会社が 2017年に移転して、会社が街の活動などに関心があり、情報収集や地域の方々を紹介してもらう中で、 中川駅前商業地区振興会の話を聞く機会を得られたのがスタートです。




鈴 木: お二人が役員を受け継いでの中川駅前商業地区振興会についてお聞かせください。
会 長:  私が会長に就任して、新たに具体的な事業を展開していこうという中で、振興会のメンバーはほとんどの 方が個人でお店を経営しているので、イベントをやると言っても、すぐに動けるというわけではないので、 地域の街づくりを考える会の人達と共催でやったり、振興会はそこに資金を出したり、イベントに協力して もらう形で進めてきたようです。
副会長:  役員になったからにはきちんと活動したいという思いはあったので、皆で色々相談した結果、最初にやる べきことは、振興会主導でイベントができるような形にしていきたいという話でまとまりました。
 しかし、振興会の仕事をすればするほど 行き届かないことが多く、かといって自分の時間を全部使うことも出来ないので、 お手伝いしてくれる方を探すことになり、前会長から神奈川県アドバイザーの岩室氏を紹介してもらいました。
 岩室氏は 神奈川県アドバイザーや NPO法人などの事業もされており、街づくりや 地域活性化に尽力されている方です。 打ち合わせでは色々な商店街活性化や賑わいイベントなどの事例や手法を紹介くださり、振興会の業種や 規模に応じた様々な提案も頂きました。




鈴 木: 中川駅前商業地区振興会で取り組んだ事業についてお話ください。
副会長: 我々が役員になったばかりの頃は、とりあえず今まであったものをどうやって継続するかみたいなものが 気持ち的には強かったです。
 春と秋に2回大きいお祭りがあり、餅つきをやったりしました。中川駅前の広場に多数出店し、前会長の 関係者がステージを立ててくれて、都筑太鼓さんに演奏していただいたり、比較的大掛かりにやっていまし た。しかし、引き継いでしばらくしてお祭りは大変だから年1回にしようかと話し合いがもたれていました。
その後コロナに突入しました。
 コロナ感染拡大防止の観点からイベントは中止になりましたが、僕らは小さくてもいいから継続しておか ないとコロナが終息した時に復活することが簡単ではないと考え、二ヶ月に一回ぐらい小さなマーケットを 開くイベントから始めたのが今の祭りです。
会 長:  岩室氏から提案頂いた事業を形にしていくことから始めました。
 一つ目はお店の紹介をちょっと面白おかしくやるという『会長が行く』というコーナーを作りました。会 長が会員のお店を訪問し店主と話をしてホームページで紹介する企画です。3 話ぐらいを掲載しました。そ の後、コロナの時期になり、動画を作ってYouTube にアップしようという「孤独のグルメ」みたいな感じ でコロナダメージの大きかった飲食店を中心に撮影・編集・掲載をしていきました。意外と好評でした。
 二つ目は商店街バスツアーです。
鈴 木:  ハロウィンに合わせたイベントで市営バスを借り切って4商店街をぐるぐる回る企画でしたね。 車両の内装を子どもたちが飾り付けして素晴らしいですよね。
 一番面白かったのは、停車ボタンの押し放題が好評でしたね。感激しましたよ。 やっぱりああいうのがいいですよね。
会 長:  市営交通のバスは普段から乗り慣れているせいもあるのでしょうが大変喜ばれました。 1回目の観光バスより好評でした。
 公共機関と言えば他にもお祭りの時に警察とか消防にお願いして白バイやパトカー展示や消防車、 はしご車、水消火器の体験やロープワークなども好評でした。これも岩室氏の提案です。
副会長:  その他には地域ソングを作ったりしました。曲に合わせたダンスの振り付けもしましたね。 あれもまさしくコロナ時期ですよ。 コロナでお祭りとかできないから、何しようかみたいな話で歌でも作るみたいな話がきっかけです。
会 長:  じゃあ誰か作曲できる人がいるかなあ。えっ?いや、そんな人いるわけないと思ったら、すぐそばにいたんですよ。 介護老人福祉施設の職員の方が私できますとかなって、さらに岩室氏の本業は編曲家なんですぐに曲が出来上がってきたので、 あとは歌詞を作れば完成だよみたいな感じでトントン拍子に進んでいきました。
副会長:  「歌詞」難しいね。私と会長は全然ダメでしたが、集まってくれた街の方がいろいろワードを 出してくれて結局三ヶ月ぐらい完成しました。岩室氏の提案でこれにダンスもつけてもらったら色々なイベントで披露 できて楽しいのではないかということで、知り合いのダンス教室の先生と生徒さんにお願いして作ってもらい、 ビデオ撮影もさせてもらいました。
会 長:  いやでも本当にありがたいですよ。地域ソングがあると。お祭りやイベントの時にBGM として流したり、 これから色々使い道があります。あとは踊ってくれたお子さんや親御さんとかもイベントに来てくれたりするから広がりが出ました。




鈴 木: 今後の中川駅前商業地区振興会についての考えなどをお話しください。
会 長: イベントは結構いい感じのサイクルになっているのでこのまま続けて行こうというスタンスなんです。 普段の日に商店の皆さんが会に入って良かったと感じてもらえるような事を考えて行きたい。 そういうものを作り出していけたらいいなっていうのをずっと考えてはいるんですが、 なかなかこれだっていうのが見つからなくて模索しています。
副会長:  振興会の会員構成は不動産関係が多いです。物販や飲食が少ないのも課題です。 加盟されていない店舗に参加してもらう為の魅力を創っていきたい。
会 長:  全部のお店が商店街の会員になっていただけるようにチラシを配ったりイベントを充実させたりすることで、 入りたいという商店の方も出てきているので、これからも促進活動もやっていこうと思います。
鈴 木:  基本は皆さんが楽しそうにやっているのが一番だと思います。 他の商店街でも即効性があるのは「ちょい飲み」みたいな企画ですね。 大体どこでやっても商店街に入るから俺も入れてくれよというのは結構あちこちでありますね。
会 長:  お客さんは期待してくださっているという感じがします。 最初イベントをやった時はチラシを作っていろいろポスティングしましたが、 最近ではチラシを配らなくても来てくださって、告知しなくても定着してきたって感じですよ。
鈴 木:  そういう形で一番象徴的なのは葉山港の朝市です。 毎週日曜日に開催していますが、そうすることでみんな覚えてくれる。 広告費も必要ないですしね。
副会長:  そうです。僕らもスタートの発想はそこです。継続すればいつか知ってもらえますから。
会 長:  「次いつですか?」と聞かれるようになってきましたしね。 やり続けるってほんとすごい効果だなっていうのは思いますね。




鈴 木: 最後に余談ですが、「中川駅前商業地区振興会」って長くて覚えにくいですね。
会 長: 最初は中川駅前商業振興会でした。 前の会長が商業地区なんだって言って地区を入れたそうです。なんか長くなっちゃいました。
副会長: でも本当たまたまですよ。昔、中川商店街があってそこが解散する話になって、 使っていいですかって聞いたら了解もらえて使えるようになったそうです。 「なんかしよう、なかしょう」みたいに使いたかった。でも、
振興会はお店が点在していてストリートにはなっていないんです。だから商業地区なんですよ。
 でも中商でいいですよ。

ありがとうございました。